裁判所法

ハンセン病隔離法廷、最高裁長官が謝罪 「深くおわび」

http://www.asahi.com/articles/ASJ524VWYJ52UTIL01H.html

特別法廷をめぐっては、最高裁が4月25日、調査報告書を公表。司法行政を担う事務方トップの事務総長が、特別法廷を認めた裁判所の運用が裁判所法違反だったとして、謝罪した。

寺田長官は会見の冒頭にこの問題に触れ、「最高裁として自らを省みて二度とこのようなことを繰り返すことがないよう決意する。裁判所の対応に、差別の助長につながる姿勢があったことは、痛恨の出来事だ」と話した。

調査の過程で、特別法廷が憲法の「法の下の平等」に反すると有識者に指摘されたにもかかわらず、報告書で認めなかったことについては「違法と結論づけたので、それ以上に憲法違反かどうかの判断は法律的には必要ない」と説明。「事務総局が(憲法判断を)躊躇(ちゅうちょ)したのは、理解できる」と繰り返した。

特別法廷が実質的に「非公開」で、憲法の保障する「裁判の公開」に違反するとの指摘に対しては、「資料が乏しい中で、『公開の法廷』を意識した設営作業がみられた」と発言。「調査によっては個々の裁判の判断に影響を与えることにもなりかねず、調査の限界を踏まえたのだろう」と語り、「裁判官の独立」への配慮を強調した。

調査を要請した元患者らが要望している再発防止策については「人権意識の向上のために、新たな研修プログラムなどが求められるのではないか」と述べた。

また、参院選でも争点の一つとなる憲法改正については「国民的な議論をもとに、国会や社会全体で決めることだと思う」との見解を示した。安保関連法の国会審議などで、集団的自衛権憲法をめぐる議論が高まったことについては「憲法の柱となる民主主義のあり方について、社会で議論が進むのは大変望ましいことだ」と話した。(市川美亜子)(市川美亜子,記事引用)

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG25H61_V20C16A4000000/

ハンセン病患者の裁判が、隔離先の療養所などに設けた「特別法廷」で開かれていた問題で、最高裁の今崎幸彦事務総長は25日記者会見し、設置手続きの違法性を認め、「誤った特別法廷の運用が差別を助長し、患者の人格と尊厳を傷つけたことを深くおわびする」と謝罪した。

最高裁が過去の裁判について検証し、謝罪するのは極めて異例。ハンセン病患者の特別法廷は1948〜72年までに各地の療養所や刑務所などで95件開かれた。

裁判所法は、災害で庁舎が壊れた場合など想定し、最高裁が必要と認めれば裁判所の外に特別法廷を設けることができると規定。最高裁は「遅くとも60年以降は確実に治る病気になっており、合理性を欠く差別的な扱いだった」として、特別法廷を開く運用が同法に違反していたと判断した。

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