最高裁判例 債権管理回収業に関する特別措置法ポイント

債権管理回収業に関する特別措置法抜粋

2 この法律において「債権管理回収業」とは、弁護士又は

弁護士法人以外の者が委託を受けて法律事件に関する法律事務である

特定金銭債権の管理及び回収を行う営業又は他人から譲り受けて

訴訟、調停、和解その他の手段によって特定金銭債権の管理及び

回収を行う営業をいう。


第二章 許可等

(営業の許可)
第三条 債権管理回収業は、法務大臣の許可を受けた株式会社

でなければ、営むことができない。


第六章 罰則

第三十三条 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役

若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

一 第三条の規定に違反して、許可を受けないで債権管理回収業を
  営んだ者

二 不正の手段により第三条の許可を受けた者

三 第十四条の規定に違反して、他人に債権管理回収業を営ませた者

四 第二十四条第一項の規定による業務の停止の命令に違反した者


平成24年2月6日 最高裁判所第三小法廷 決定抜粋 サービサー

①本件債権には事件性がないし,「訴訟,調停,和解その他の手段」

によって回収したものではないから,サービサー法2条2項後段には

該当しない,②社会的経済的に正当な業務の範囲内であるから

違法性が阻却されると主張する。

しかし,被告会社が譲り受けた本件債権は,長期間支払が遅滞し,

譲渡元の消費者金融業者において全て貸倒れ処理がされていた上,

その多くが,利息制限法にのっとって元利金の再計算を行えば減額され

又は債務者が過払いとなっており,債務者が援用すれば時効消滅と

なるものもあったなど,通常の状態では満足を得るのが困難なもので

あるところ,被告人らは,本件債権に関し,取立てのための請求

をし,弁済を受けるなどしていたのであるから,本件債権の管理回収

に関する営業は,サービサー法2条2項後段の「他人から譲り受けて

訴訟,調停,和解その他の手段によって特定金銭債権の管理及び回収

を行う営業」に該当するといえる。

したがって,法務大臣の許可を受けないで,本件債権を譲り受けて

その管理回収業を営んだ行為は,サービサー法33条1号,3条に

該当すると解するのが相当である。

また,前記のような被告会社の業務態様に照らしても,

本件の無許可営業について,所論のように社会的経済的に正当な業務

の範囲内のものと見る余地はなく,違法性を阻却するような事情は

認められない。

以上によれば,本件債権の管理回収に関する営業について,

サービサー法33条1号,3条の罪の成立を認めた原判断は相当である。

よって,刑訴法414条,386条1項3号により,

裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。