民法編 民法423条(債権者代位権)
債権者代位訴訟では被保全債権の存在が債権者の当事者適格を
基礎づけることが前提
第二款 債権者代位権及び詐害行為取消権
(債権者代位権)
第423条 債権者は、自己の債権を保全するため、債務者に属する権利
を行使することができる。
ただし、債務者の一身に専属する権利は、この限りでない。
2 債権者は、その債権の期限が到来しない間は、裁判上の代位に
よらなければ、前項の権利を行使することができない。
ただし、保存行為は、この限りでない。
解釈
① 債務者の一身に専属する権利とは
ア 家族法(扶養請求権、親権等)
イ 人格的利益(精神的損害)
② 保存行為とは、債務者の未登記の権利について代わって
登記するような場合
③ 処分行為は、物を売買等したりする場合は、裁判所の許可を前提
借地人は、地主を代位して不法占拠者に対して
妨害排除請求権を行使できる。
条文
第二節 共同訴訟
(共同訴訟の要件)
第38条 訴訟の目的である権利又は義務が数人について共通であると
き、又は同一の事実上及び法律上の原因に基づくときは、
その数人は、共同訴訟人として訴え、又は訴えられることができる。
訴訟の目的である権利又は義務が同種であって事実上及び
法律上同種の原因に基づくときも、同様とする。
(共同訴訟人の地位)
第39条 共同訴訟人の一人の訴訟行為、共同訴訟人の一人に対する
相手方の訴訟行為及び共同訴訟人の一人について生じた事項は、
他の共同訴訟人に影響を及ぼさない。
(必要的共同訴訟)
第40条 訴訟の目的が共同訴訟人の全員について合一にのみ確定
すべき場合には、その一人の訴訟行為は、全員の利益においてのみ
その効力を生ずる。
2 前項に規定する場合には、共同訴訟人の一人に対する
相手方の訴訟行為は、全員に対してその効力を生ずる。
3 第一項に規定する場合において、共同訴訟人の一人について
訴訟手続の中断又は中止の原因があるときは、その中断又は中止は、
全員についてその効力を生ずる。
4 第32条第一項の規定は、第一項に規定する場合において、
共同訴訟人の一人が提起した上訴について他の共同訴訟人である
被保佐人若しくは被補助人又は他の共同訴訟人の後見人その他の
法定代理人のすべき訴訟行為について準用する。
(同時審判の申出がある共同訴訟)
第41条 共同被告の一方に対する訴訟の目的である権利と共同被告の
他方に対する訴訟の目的である権利とが法律上併存し得ない関係にある
場合において、原告の申出があったときは、弁論及び裁判は、
分離しないでしなければならない。
2 前項の申出は、控訴審の口頭弁論の終結の時までにしなければ
ならない。
3 第一項の場合において、各共同被告に係る控訴事件が同一の
控訴裁判所に各別に係属するときは、弁論及び裁判は、
併合してしなければならない。
第三節 訴訟参加
(補助参加)
第42条 訴訟の結果について利害関係を有する第三者は、当事者の
一方を補助するため、その訴訟に参加することができる。
(補助参加の申出)
第43条 補助参加の申出は、参加の趣旨及び理由を明らかにして、
補助参加により訴訟行為をすべき裁判所にしなければならない。
2 補助参加の申出は、補助参加人としてすることができる訴訟行為と
ともにすることができる。
(補助参加についての異議等)
第44条 当事者が補助参加について異議を述べたときは、
裁判所は、補助参加の許否について、決定で、裁判をする。
この場合においては、補助参加人は、参加の理由を
疎明しなければならない。
2 前項の異議は、当事者がこれを述べないで弁論をし、又は弁論準備
手続において申述をした後は、述べることができない。
3 第一項の裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
(補助参加人の訴訟行為)
第45条 補助参加人は、訴訟について、攻撃又は防御の方法の
提出、異議の申立て、上訴の提起、再審の訴えの提起その他
一切の訴訟行為をすることができる。ただし、補助参加の時における
訴訟の程度に従いすることができないものは、この限りでない。
2 補助参加人の訴訟行為は、被参加人の訴訟行為と
抵触するときは、その効力を有しない。
3 補助参加人は、補助参加について異議があった場合においても、
補助参加を許さない裁判が確定するまでの間は、
訴訟行為をすることができる。
4 補助参加人の訴訟行為は、補助参加を許さない裁判が確定した場合
においても、当事者が援用したときは、その効力を有する。
(補助参加人に対する裁判の効力)
第46条 補助参加に係る訴訟の裁判は、次に掲げる場合を除き、
補助参加人に対してもその効力を有する。
一 前条第一項ただし書の規定により補助参加人が訴訟行為をすること
ができなかったとき。
二 前条第二項の規定により補助参加人の訴訟行為が効力を
有しなかったとき。
三 被参加人が補助参加人の訴訟行為を妨げたとき。
四 被参加人が補助参加人のすることができない訴訟行為を故意
又は過失によってしなかったとき。
(独立当事者参加)
第47条 訴訟の結果によって権利が害されることを主張する第三者
又は訴訟の目的の全部若しくは一部が自己の権利であることを主張する
第三者は、その訴訟の当事者の双方又は一方を相手方として、
当事者としてその訴訟に参加することができる。
2 前項の規定による参加の申出は、書面でしなければならない。
3 前項の書面は、当事者双方に送達しなければならない。
4 第40条第一項から第三項までの規定は第一項の訴訟の当事者
及び同項の規定によりその訴訟に参加した者について、
第43条の規定は同項の規定による参加の申出について準用する。
以上