刑事訴訟法の歴史

「国家が秩序正しく国際社会で存在し、一人一人の国民が、平和に平穏に生存し、日々の快適な社会生活を享受することを維持する目的のためである。刑事裁判が、この目的を忘失して、何者かの私物化するか、某イデオロギーに奉仕する奴隷と堕したとき、その国家はまちがいなく死滅する。でなければ、国民が死滅する。刑事訴訟の実務、「新版(上)」、著者石丸俊彦、仙波厚、川上拓一、副部悟、引用」


日本における刑事裁判の法規制定

1 新律綱領(明治3年12月20日(太政官布告第94号)、明治13年7月17日太政官布告第36号をもって、明治15年1月1日治罪法の施行により失効

※ 現在の刑法と刑事訴訟法が混合されたようなもの手続的規定はない。拷問容認

2 改定律例(明治6年6月13日太政官布告第206号、明治13年7月17日太政官布告第36号をもって、明治15年1月1日治罪法の施行により失効)

※ 自白偏重を明文宣言
当然のことながら、拷訊の正当化を増長

3 治罪法(明治13年7月17日太政官布告第37号、明治15年1月1日から施行、明治23年10月7日法律第96号をもって、明治23年11月1日から廃止)

※ パリ大学教授ボワソナードが招かれ、フランス治罪法に範

4 刑事訴訟法(明治23年10月7日法律第96号、明治23年11月1日から施行、大正11年5月5日法律第75号をもって、大正13年1月1日から廃止、旧刑事訴訟法

5 刑事訴訟法(大正11年5月5日法律第75号、大正13年1月1日から施行、昭和23年7月10日法律第131号をもって、昭和24年1月1日に現行刑事訴訟法に全面改正)

※ ドイツ法的色彩を取り入れる

6 現行刑事訴訟法(昭和23年7月10日法律第131号、昭和24年1月1日から施行)

※ アメリカ法の影響

現代社会の日本

覚せい剤所持の芸能人が多く逮捕されているが、所持罪と自己使用罪は併合罪であって公訴事実に同一性がないので、事件単位の原則によって警察も大変である。

刑事訴訟法規則で重要な条文
(決定、命令の手続)
第33条 決定は、申立により公判廷でするとき、又は公判廷における申立によりするときは、訴訟関係人の陳述を聴かなければならない。
その他の場合には、訴訟関係人の陳述を聴かないでこれをすることができる。但し、特別の定のある場合は、この限りでない。

2 命令は、訴訟関係人の陳述を聴かないでこれをすることができる。

3 決定又は命令をするについて事実の取調をする場合において必要があるときは、法及びこの規則の規定により、証人を尋問し、又は鑑定を命ずることができる。

4 前項の場合において必要と認めるときは、検察官、被告人、被疑者又は弁護人を取調又は処分に立ち会わせることができる。

(裁判の宣告)
第35条 裁判の宣告は、裁判長がこれを行う。

2 判決の宣告をするには、主文及び理由を朗読し、又は主文の朗読と同時に理由の要旨を告げなければならない。

3 法第290条の二第一項又は第三項の決定があつたときは、前項の
規定による判決の宣告は、被害者特定事項を明らかにしない方法でこれを行うものとする。

(資料の提供)
第143条 逮捕状を請求するには、逮捕の理由(逮捕の必要を除く逮捕状発付の要件をいう。以下同じ。)及び逮捕の必要があることを認めるべき資料を提供しなければならない。

(公判期日の不変更)
第182条 裁判所は、やむを得ないと認める場合の外、公判期日を
変更することができない。

2 裁判所がその権限を濫用して公判期日を変更したときは、訴訟関係人は、書面で、裁判所法第80条の規定により当該裁判官に対して監督権を行う裁判所に不服の申立をすることができる。

(証拠決定についての提示命令)
第192条 証拠調の決定をするについて必要があると認めるときは、訴訟関係人に証拠書類又は証拠物の提示を命ずることができる。

(弁護人等の陳述)
第198条 裁判所は、検察官が証拠調のはじめに証拠により証明すべき事実を明らかにした後、被告人又は弁護人にも、証拠により証明すべき事実を明らかにすることを許すことができる。

2 前項の場合には、被告人又は弁護人は、証拠とすることができず、又は証拠としてその取調を請求する意思のない資料に基いて、裁判所に事件について偏見又は予断を生ぜしめる虞のある事項を述べることはできない。

(証人尋問の順序)
第199条の二 訴訟関係人がまず証人を尋問するときは、次の順序による。
一 証人の尋問を請求した者の尋問(主尋問)
二 相手方の尋問(反対尋問)
三 証人の尋問を請求した者の再度の尋問(再主尋問)
2 訴訟関係人は、裁判長の許可を受けて、更に尋問することができる。

(裁判長の尋問)
第201条 裁判長は、必要と認めるときは、何時でも訴訟関係人の証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人に対する尋問を中止させ、自らその事項について尋問することができる。

2 前項の規定は、訴訟関係人が法第295条の制限の下において証人その他前項に規定する者を充分に尋問することができる権利を否定するものと解釈してはならない。

(傍聴人の退廷)
第202条 裁判長は、被告人、証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人が特定の傍聴人の面前(証人については、法第157条の三第二項に規定する措置を採る場合及び法第157条の四第一項に規定する方法による場合を含む。)で充分な供述をすることができないと思料するときは、その供述をする間、その傍聴人を退廷させることができる。

(異議申立の事由)
第205条 法第309条第一項の異議の申立は、法令の違反があること又は相当でないことを理由としてこれをすることができる。但し、証拠調に関する決定に対しては、相当でないことを理由としてこれをすることはできない。

2 法第309条第二項の異議の申立は、法令の違反があることを理由とする場合に限りこれをすることができる。

(職権による排除決定)
第207条 裁判所は、取り調べた証拠が証拠とすることができないものであることが判明したときは、職権でその証拠の全部又は一部を排除する決定をすることができる。

(釈明等)
第208条 裁判長は、必要と認めるときは、訴訟関係人に対し、
釈明を求め、又は立証を促すことができる。

2 陪席の裁判官は、裁判長に告げて、前項に規定する処置をすることができる。

3 訴訟関係人は、裁判長に対し、釈明のための発問を求めることができる。

(最終陳述)
第211条 被告人又は弁護人には、最終に陳述する機会を与えなければならない。

(公判手続の更新)
第213条 開廷後被告人の心神喪失により公判手続を停止した場合には、公判手続を更新しなければならない。

2 開廷後長期間にわたり開廷しなかつた場合において必要があると認めるときは、公判手続を更新することができる。

(調書判決)
第219条 地方裁判所又は簡易裁判所においては、上訴の申立てがない場合には、裁判所書記官に判決主文並びに罪となるべき事実の要旨及び適用した罰条を判決の宣告をした公判期日の調書の末尾に記載させ、これをもつて判決書に代えることができる。ただし、判決宣告の日から十四日以内でかつ判決の確定前に判決書の謄本の請求があつたときは、この限りでない。

2 前項の記載については、判決をした裁判官が、裁判所書記官とともに署名押印しなければならない。

3 前項の場合には、第46条第三項及び第四項並びに第55条後段の規定を準用する。

(国選弁護人)
第279条 少年の被告人に弁護人がないときは、裁判所は、なるべく、職権で弁護人を附さなければならない。

(検察官及び弁護人の訴訟遅延行為に対する処置)
第303条 裁判所は、検察官又は弁護士である弁護人が訴訟手続に関する法律又は裁判所の規則に違反し、審理又は公判前整理手続若しくは期日間整理手続の迅速な進行を妨げた場合には、その検察官又は弁護人に対し理由の説明を求めることができる。

2 前項の場合において、裁判所は、特に必要があると認めるときは、検察官については、当該検察官に対して指揮監督の権を有する者に、弁護人については、当該弁護士の属する弁護士会又は日本弁護士連合会に通知し、適当の処置をとるべきことを請求しなければならない。

3 前項の規定による請求を受けた者は、そのとつた処置を裁判所に通知しなければならない。